<静電植毛技術>を生かして
お客様のご要望にお応えします
--- 静電植毛(フロック加工)とは ---
●あらかじめ接着剤を塗布した被対象物に、
数万ボルトの静電気を利用し パイルと呼ぶ短繊維を飛翔させ、
均密に植毛する加工技術です。
●高電圧の電極を通ることでパイル一本一本が直立して密集し、
平均 数千本/cm2もの高密度になります。
他の織物には出来ない特徴です。
●植毛製品には、平面的なシート状基材に加工した「全面植毛品」と、
立体的な形状の物体に加工した「成型植毛品」があります。
また、後者は被対象物に直接植毛する方法と、全面植毛品を必要な形状に
打抜き粘着シールで貼り付ける方法があります。
--- 静電植毛(フロック加工)の特徴 ---
◆ パイルの種類 ◆
主にナイロン・レーヨンです。アクリル・ポリエステル等の化合繊や、
シルク・コットン等の天然繊維、また耐熱等の機能性繊維も使用します。
◆ 接着剤の種類 ◆
アクリル系、ウレタン系、酢酸ビニル系(木工用ボンド)等があります。
これら単独ではなく、被膜強度向上の為、
エポキシ等を架橋剤として添加するのが基本的なレシピです。
◆ 基材の種類 ◆
全面植毛の場合、レーヨンやナイロンの織物・編物、PETや塩ビのフィルムシート、
フォーム材(ウレタン・ポリエチレン等)・不織布・紙類にも植毛可能です。
成型植毛の場合、ABSやPP系の樹脂製品や、金属(鉄・アルミ等)があります。
◆ どんなふうに加工するのか ◆
@接着剤塗布(コーティング) → A植毛(フロッキング) → B乾燥・硬化 → C除毛・仕上げ
@……全面植毛の場合、基本的に生地にベタ塗りします。成型植毛の場合は、スプレーです。
@〜Cまで、自動ラインによる連続工程です。
全面と成型では、搬送方法に多少の違いがありますが、基本的な原理は同じです。
パイル | → |
植 毛 |
→ |
熱 処 理 |
→ |
仕 上 加 工 |
→ |
検 査 |
→ |
包 装 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
接着剤 | ||||||||||
基布 |
◆ 植毛すると、どんな効果があるのか ◆
主に意匠性と機能性とに分けられます。
前者は、プレーンな基材単体に比べ華燭性が発現します。
後者には、下表のような機能が期待できます。
機能 | 応用箇所 | 効果 |
---|---|---|
低摩擦性 | ゴム製炊事用手袋の内側 | 皮膚へのベタ付き防止で円滑着脱 |
防振性・摺動性・吸音性 | 自動車の窓ガラスや、ゴム製チャンネル | ビビリ音の防止、窓ガラスの円滑昇降 |
断熱性 | コタツヒーターやコピー機等の発熱部カバー | 手、指の接触時の火傷防止 |
金属製の手摺り | 寒冷時における不快なヒヤリ感解消 | |
吸光性・低反射性 | カメラのボディー内部や、レンズフード内面 | 撮影部分への迷光防止になり、クリアな像が撮影可能 |
吸水性・保水性 | 冷房装置吹き出し口のルーバー | 結露した水の落下を防止 |
捕捉性・保持性 | 紡績機のクリーニング用ロール | 糸くずの捕捉、除去 |